もうすぐ春節、でも…
1月15日以降、首都・北京市でオミクロン株の感染者が数人確認されている。2月1日からの春節、2月4日から開幕する冬季五輪を控えた同市では、感染者が過去2週間に立ち寄ったショッピングセンターやレストラン、勤務先ビル名などをすべて公表。施設の一部を封鎖し、感染者が住む団地の全住民のPCR検査を行うなど、封じ込めに躍起になっている。
最初に感染した人の勤務先の近くの学校で働くある中国人は1月16日、私の取材に対し、
「どんどんコロナが迫ってきている感じで、緊張感が高まっています。幸い、私が立ち寄ったレストランなどは無関係だったので、ホッとしています。学校は22日から冬休みに入るので、私も在宅勤務になります。とにかく感染リスクを減らすため、生活必需品を買う以外、どこにも出かけられない状態で、戦々恐々としています。もちろん、楽しみにしていた春節も故郷には帰れませんね……」
と話す。

昨年末から、中国各地で新型コロナの感染者が急増しているのは周知の通りだ。2021年12月下旬、西安市で1000人以上の感染者が出て大規模なロックダウンに入ったのを始め、河南省、天津市、上海市などで感染が拡大しており、2022年1月18日時点で31の省と自治区、直轄市にまで及んでいる。
1日あたりの全国の新規感染者数は200人以下と、諸外国と比較すると圧倒的に少ないが、中国は昨年から「ゼロコロナ」政策を鮮明に打ち出している。感染者が1人でも出れば、その地区や団地などを完全封鎖、全住民のPCR検査を実施して徹底的に感染者を洗い出すという方法だ。日本で報道されている以外にも、1つの団地のみを封鎖するなど「プチ・ロックダウン」は各地で頻繁に行われている。