「新しい資本主義」は矛盾だらけ…岸田首相の経済政策、実は「壊滅的」だった!

突っ込みどころ満載な論考を読み解く

突っ込みどころ満載の「新しい資本主義」

岸田文雄首相が「文芸春秋」2月号に、ご自慢の「新しい資本主義」を解説する論考を発表した。ようやく具体的な経済政策が出てきたか、と思ったら、やはりよく分からない。それどころか、主張が相互に矛盾している。首相はいったい、何をしたいのか。

「私が目指す『新しい資本主義』のグランドデザイン」と題する論考は、次のような書き出しで始まっている。

「私の提唱する新しい資本主義に対して、何を目指しているのか、明確にしてほしいといったご意見を少なからずいただきます」

首相自身も、世間の評価を気にしていたのである。そこで「このままでは、マズイ」とみて「緊急寄稿」したようだが、中身は突っ込みどころが満載だ。

岸田文雄首相[Photo by gettyimages]
 

たとえば、冒頭「市場や競争に任せれば全てがうまくいくという考え方が新自由主義」と書いている。同じことは、1月17日の施政方針演説でも述べていた。だが、私の知る限り、そんな乱暴なことを主張している「新自由主義者」は、実は1人もいない。

新自由主義はたしかに、政府の過剰な介入を嫌って、不要になった規制をなくすよう求める。だからといって「規制をなくせ、そうすれば万事うまくいく」などと唱えているわけではない。私が安倍晋三、菅義偉両政権で参加した日本の規制改革(推進)会議でも、そんな議論はなかった。首相の話は、だれも言っていない極論をでっち上げた誇張だ。

続けて、気候変動問題に触れて「昨年7月の熱海市の土石流災害をはじめ、各地で被害が発生しています」と書く。熱海市の災害では、被害者が土地所有者らによる無茶な開発が原因として、損害賠償を求めて提訴している。それを気候変動問題に結びつけるのは、乱暴だ。首相が開発業者に味方して、免責を認める話になりかねない。

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