地方財政は完全に破綻…中国経済が「崩壊過程」に入ったと言えるこれだけの理由

地方政府の債務残高は尋常ではない

土地利用権の売却収入に依存する地方財政

不動産バブルの崩壊により、中国では地方財政の悪化が急加速している。

中国の地方政府はこれまで、土地利用権の売却収入に大きく依存する財政運営を行なってきた。この売却収入が地方政府の財政に占めるウェイトは、日本人が想像するものを遥かに凌駕している。

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中国にある44の主要都市の「土地財政依頼度ランキング」というものが発表されている。土地財政依頼度というのは、その都市の一般的な収入(税収など)に対して土地利用権の売却益がどのくらいになるかという割合を示すものだ。

例えば税収などの一般的な収入が100あるところで土地利用権の売却益が50あるなら、土地財政依頼度は50%と表示される。全体収入(150)に対して土地利用権の売却益(50)がどれだけ占めるかというものではなく、一般的な収入(100)に対して土地利用権の売却益(50)がどれだけに相当するかという割合で表現しているというところを理解してもらいたい。

2020年にこの土地財政依頼度が最も高い都市は広東省にある仏山市(人口約600万人)で、その土地財政依頼度は180%に達している。

こういう話を持ち出すと、私が極めて極端な一例を取り上げているだけだと思うかもしれないが、主要44都市の中で土地財政依頼度が100%を超えているのは20都市であり、ほぼ半数に達しているというのが実態だ。

 

恒大集団など不動産ディベロッパーの相次ぐ経営破綻に示されるように、もはや不動産開発は民間企業が扱えるものではなくなった。バブル崩壊を目前にしては仕入れたところで販売の見込みが立たないのである。

そもそも人気の高い土地はすでに売却を終えており、これから販売しようにも目ぼしい場所はほとんど残っていない。こうした事情のために、土地利用権の売却収入に依存する地方財政が大ピンチに陥っていることがわかるだろう。

これを受けて地方政府は大胆な支出削減を行なっている。中国の中で最も財政的に裕福なのは上海市だが、その上海市でさえ警察署の局長の年給は35万元(約620万円)から20万元(約355万円)以下に削減されたことが報じられている。

科員級の公務員の場合でも、年給は24万元(約430万円)から15万元(約265万円)に下がっている。地方公務員の年給削減はおおむね2割から3割であるが、中には5割に達するような例もある。すでに支払った賞与の返還を命じている地方政府もある。

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