1993年、パリコレにモデルとして参加して以来、モデル活動に、執筆や講演活動にとフル回転。常に前向きかつフェアなメッセージと笑顔で、多くの人を元気づけているアン ミカさん。なぜアン ミカさんは、いつもポジティブに輝いているのでしょうか。アン ミカさんが今のアン ミカさんになった秘密を、「言葉」をキーワードにし、その言葉にまつわるエピソードをお聞きして紐解く本連載。読むだけで心がちょっとラクになる、ビタミンのようなメッセージを受け取ってください。

アン ミカさん連載第11回後編では、積み重ねた努力とチャンスを逃さなかったタイミングが重なってパリコレの道が切り開けたエピソードを伝えた前編に引き続き、アン ミカさんの「仕事論」をじっくりお聞きします。門前払いをくらったこともあるパリで、パリコレクションに出演するまでになったアンミカさん。では一流のモデルに必要なこととは何でしょうか。モデルに限らず多くの「仕事」に通じる金言がありました。

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ここにいるモデルのなかで、私が一番かっこいい

この連載を読んで下さっている方の中に、将来モデルになりたいと思っている方がいるかもしれないので、オーディションについてもう少し詳しくお話しさせて頂きますね。

まず、コレクションモデルのオーディションは一瞬で判断されているといっても過言ではない厳しいものです。パリやニューヨークなど、海外の大きなコレクションであればあるほど。モデルが1時間かけてお風呂に入り、入念にメイクをして現場に来ても、勝負は3秒で決まってしまう。といわれる程です。

日本のスタッフはとても優しくて、来てもらった以上無下にはできないと、多少はコミュニケーションを取ってくれることもあります。しかし、一般的なオーディションは、先ずウォーキングを見てもらい、そこでOKが出ればフィッティングに進み、後は合否が事務所に報告されるという流れ。持参したブックすら見てくれない、なんてこともあります。特にデザイナーさんが突然来日して「明日急いでフィッティングして、明後日ショー」というような時は、時間も無いため合否の判断が早く、残酷なほど興味の有る無しがハッキリしていることも。

オーディションで大切なのは2つだけ。落ちてもすぐに気持ちを切り替えること。そして部屋に入った瞬間から「圧倒的にかっこよくいよう!」と、自分に言い聞かせることです。

「ここにいるモデルのなかで、私が一番かっこいい!」と思い、落ちたら「あらそう、あなた損したわね。いいわ、私の良さがわからないなら!」と、それくらいの気持ちでいかないとダメ。実際、たまたまそのシーズンのテーマと合わないから、という理由で落ちても、翌年にピッタリのテーマにハマれば合格するということもあります。

「今年、うちはアジア系は使わないから」と、書類の段階ではねてくれる親切なところもあれば、「とりあえずたくさん呼んで見てみよう」というところも。ホテルの一室を借りてオーディションをしている場合、あまり長い間滞在すると経費がかさんでしまうので、最初から書類審査を厳しくしてふるいにかけるところもあれば、「歩いている姿を見てから決めたい」と言うデザイナーさんもいます。