父は暴力団員 母は薬物中毒者だった 「ヤクザ・チルドレン」として生まれた女性の回想

ルポ・密売人の家【後編】

7人の子供たち

前編では、「ヤクザ・チルドレン」として生まれた未知の数奇な人生を紹介した。

暴力団構成員を父に持った未知は、成人してから40歳まで何度も違法薬物の所持や使用で逮捕されて刑務所へ送られおり、社会にいたのは半分にも満たない。にもかかわらず、その間にすべて父親の違う、しかも暴力団構成員の男との間に7人もの子供を産んでいるのは、そうした生活のためなのだ。

Photo by GettyImages
 
Photo by GettyImages

出所しては街にいる構成員と男女の関係になって違法薬物をわけてもらい、何の計画もなく出産しては、また逮捕される。子供たちは刑務所内で生まれるか、生まれてすぐに施設へ送られるかだ。

なぜ育てられないのに、次から次に子供を産むのか。違法薬物の後遺症でまっとうな思考ができなくなっているのだろう。彼女は次のように語る。

「出産は慣れるよ。クスリをやっていれば、痛いとか苦しいとかないし。うちの子はみんな施設育ちだけど、たまにシャバに出て施設に会いに行くと、『ママ、ママ』って言ってもらえるのは嬉しいよ。こんな私でも必要とされているなって思う」

未知は自分から暴力団構成員の男を選んだつもりはないという。ただ、親が暴力団構成員なので普通の大人がどういう人間かわからないし、違法薬物をただで手に入れるためには暴力団構成員と付き合うしかないので、そうなっているだけなのだそうだ。

関連記事