依存症は脳の働き「報酬系」の変化——ではきっかけとなる最初の報酬は?

誰でも嬉しい「人とつながれる!」喜び
からだとこころ編集部 プロフィール

アディクションからコネクションへ

先ほど、依存症は「人とのつながり」が入り口だったのに、孤立してしまうのが依存症だというお話をしました。程度が進むにつれ、家族をはじめ、周囲の人ととの関係が悪化しやすくなるためです。

回復を目指す際に、身近な人、家族の支えは重要ですが、そのなかだけで改善させようとしても、なかなかうまくいきません。必要なのは、新たなつながりをつくることです。

専門機関を利用し、つながりを広げていきます。それによって、身近な人との関係も変わっていくでしょう。また、依存症は、医療機関にかかれば治るというものではありません。状況に応じて、多職種・多機関の支えが必要になります。支援の連携を受けて回復を目指しましょう。

【写真】支援は広く受ける専門機関を利用し、広範囲の支援を受けることが大切 photo by gettyimages

参考に、おもな支援機関をご紹介しましょう。

  • 医療機関 依存症を専門とする医療機関では、入院または通院による治療プログラムを実施。
  • 精神保健福祉センター 依存症の相談拠点となるところ。家族支援や、治療・回復プログラムの実施など。
  • 民間の回復支援施設 基本的には共同生活を送りながら、依存症からの回復を目指す施設。
  • 地域の自助グループ 当事者やその家族がそれぞれの体験を話したり聞いたりして支え合う。
  • 司法関連機関 場合によっては警察、刑務所などの刑事施設、保護観察所など関係機関の協力も。

その他に、暴力、借金、経済的な問題などは、それぞれ専門家や専門機関との連携が必要になります。

依存症でない"あなた"ができること

依存症は、回復への取り組みを続けることが大切です。そうした取り組みを続け、行動が変わるうちに渇望は薄らいでいくでしょう。

依存症の回復には、頼ることが大切ですが、あなた自身が誰かの頼り先になることもできます。もし周りに依存症の人がいたら、愚痴や弱音に対し、「泣き言を言うな」「自己責任だ」などと言わずにちょっと耳を傾けてみませんか。

みんなが少しずつやさしい気持ちで人と接するようになり、ちょっとずつ頼り合える、人に頼ることを許容する社会になれば、みんなが生きやすくなります。みんなが生きやすい社会になれば、自ずと依存症は減っていくでしょう。「困った人」は、「困っている人」なのです。

本記事の参考書籍はこちらです

依存症がわかる本——防ぐ、回復を促すためにできること

【書影】依存症がわかる本

監修:松本俊彦(国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 薬物依存研究部 部長)

誰もがなにかに依存しながら生きている現代社会。依存=決して悪いことではありません。それでは「依存症」とは? 本書では、病気を招く身体や心のメカニズムをはじめ、回復するための手引きなど、依存症について理解するためのヒントを網羅。当事者だけでなく、周りで支える身近な人にもぜひ読んでほしい1冊です。

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