2022.01.19
# 企業・経営

儲けを求めない「公益企業」、本当に投資する価値はあるのか? その「正しい考え方」

加谷 珪一 プロフィール

結局のところ、株主というのは利益を追求するものであり、公益重視の企業といっても、そのメカニズムは従来と何も変わらない。したがって、こうした企業を過度に賛美することも、批判することもナンセンスであり、儲かると思うのなら投資すればよい、というシンプルな結論が導き出せる。

 

結局のところ、株主は利益を求めている

では、こうした公益企業への投資は本当に儲かるのだろうか。程度問題はあるだろうが、筆者は今後、こうした公益企業が相対的に有利になる可能性はそれなりに高いと見ている。

経済が停滞している日本にいるとあまりピンとこないが、新興国を中心に世界経済は驚異的な成長を実現しており、全世界の需要は爆発的に増大している。このところ顕著となっている物価上昇は直接的にはコロナ後の景気回復期待が原因だが、その背後には、今後、全世界的に需要過多になるという長期的予想が存在している。

経済が成長すれば需要は爆発的に伸びるものの、天然資源や環境は有限であり、経済成長に合わせて拡大してくれるわけではない。既存の経済モデルは、資源を無制限に使えることが大前提となっているが、それが難しくなれば当然、成長を阻害する要因となり得る。資源利用に対する規制が強化された場合、従来型企業は一気に不利になってしまう。

資源を浪費する企業への風当たりは今後、強くなることはあっても、弱くなることはないだろう。こうした社会の変化をうまく捉え、自社の経営方針が相対的に有利であることを株主にアピールできた企業は、現時点の業績がそれほど良くなくても,巨額の資金調達が可能となる。

だが、環境配慮型企業を経営するのはたやすいことではなく、どの企業でも実現できるわけではない。当然のことながら、うまくビジネスが機能しない可能性も十分にあり、その場合、投資家は損失を覚悟しなければならない。

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