2022.01.19
# 企業・経営

儲けを求めない「公益企業」、本当に投資する価値はあるのか? その「正しい考え方」

地球環境や従業員への還元など株主以外の利益も重視する「公益企業」が米国で話題となっている。資本主義に新しい価値観をもたらすとの期待が寄せられる一方、単なるブームに過ぎず、最終的には利益重視にならざるを得ないという冷めた見方もある。企業の公益について、どう考えればよいのだろうか。

業績を最大化しない可能性があることを明示

天然素材を使ったスニーカーを販売するオールバーズは、2021年11月に米ナスダックに新規上場したが、同社の上場は従来の枠組みとは大きく異なっている。

第三者が同社のESG(環境・社会・企業統治)をチェックし、ステークホルダーに十分な配慮がなされることを確約しており、外部の投資家に対して「株主利益を最大化しない行為を取らない可能性がある」と明言している。場合によっては利益が犠牲になることをあらかじめ宣言した上で、投資家もそれに納得して投資を行っている。

オールバーズのシューズ〔PHOTO〕Gettyimages
 

2020年7月にニューヨーク証券取引所に上場したオンライン保険のレモネードも同じような方針を打ち出したことで知られる。同社は社会や環境など「公益」にも責任を負うことをあらかじめ明示した会社組織となっており、オールバーズと同様、「財務結果を最大化しない場合」があると目論見書で示している。

こうした方針を示す企業に対しては、新しい資本主義の到来だとして高く評価する意見がある一方、ただの理想論に過ぎないという批判の声もある。両者とも上場後の株価は基本的に下落基調が続いており、現時点における市場の反応は後者に近いということになるだろう。

しかしながら筆者は、こうした二元論にはあまり意味がないと考えている。その理由は株式会社というものは、不特定多数から資金を集めることを目的とした会社形態であり、基本的に企業の経営に賛同した人が自由に出資する形態だからである。

関連記事