2022.01.21

“金曜にカレーを食べる”はウソだった…太平洋戦争中に兵士が食べていた「艦隊グルメ」

藤田 昌雄

─主人公たちが乗る駆逐艦・幸風は実在の艦ではなく、「雪風」という艦を参考にしています。

藤田:「雪風」とは陽炎(かげろう)型駆逐艦の8番艦で、乗員は240名ほど。数多くある駆逐艦の中で最も有名な艦の一つです。その理由は、ミッドウェー海戦やレイテ沖海戦、さらには大和特攻作戦など、日本海軍の主な主要海戦全てに参加しているにもかかわらず、大破することなく生き残ったためです。大型艦の砲撃や魚雷が一発当たるだけでも沈没してしまうのが駆逐艦。数多くの激戦地に赴いていたにも関わらず沈まなかったため、「雪風」は「奇跡の駆逐艦」と呼ばれています。

─なぜ生き残れたのでしょうか?

藤田:正直、運がよかったとしか言えないと思いますが、艦長の操艦技術も高かったのでしょう。実際、大和の特攻作戦に参加した際は、艦橋の天窓を開けて、艦長自ら首を出して降下してくる敵機の動きを読み、舵を指示したという逸話を聞いたことがあります。

牛肉と野菜の煮込み(肉じゃが)。脚気予防の麦入り
 

麦飯は不味かった?

─実際、兵士たちはどういうものを食べていたのでしょうか。

藤田:下士官が食べる食事のことを“兵食”と言います。兵食は米と麦を混ぜた米麦飯(べいばくはん)とおかずと汁物、漬物です。作中でも描かれていましたが、麦飯を食べるのは脚気(かっけ)予防のためですね。米麦飯は現代に比べるとかなり量が多く、一食あたり1人2合、1日で6合も食べていたそうです。

─献立も主計兵が考えていたのですか?

藤田:軍医と主計科の士官、それに古参兵が協議して、1週間の献立を決めていたようですね。レシピは相当数あったようで、和洋中バリエーション豊富に食べられていました。

また、海軍に入って初めて肉を食べたという人もいたようで、カツレツはかなり人気だったようですね。コロッケも定番です。肉の代わりに缶詰の鮭を使ったコロッケもありました。

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