人は誰しも老いるもの。「親にはいつまでも健康でいてほしい」と思いつつもやっぱり考えなければいけないのが「介護」のことです。

そこで今回は、介護にかかるお金や、いざというときに慌てないためにやっておきたい「必要な準備」について解説します。備えあれば憂いなし。今できることから準備を始めましょう。

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介護の平均期間はどのくらい?

世界でもトップクラスを誇る日本人の平均寿命。元気で長生きできればよいのですが、歳を重ねるにつれ、体力や筋力の低下やそれに伴う身体の不自由が出てくるもの。厚生労働省が2021年12月に発表した最新データによると、介護を必要とせずに自立して日常生活を送れる期間を示す「健康寿命」は、令和元年値で男性72.68歳、女性75.38歳。

同じく厚生労働省の簡易生命表(2020年)によると、75歳の男性の平均余命は12.63年、女性は16.25年。もちろんすべての人が平均的な推移をたどるわけではありませんが、この2つの差から単純化して考えると、男性は10年以上、女性は15年以上を、介護を受けたり、あるいは病気で入院したりしながら過ごす可能性が高い、ということになります。

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もうひとつデータを見てみましょう。今度は少し視点を変えて、実際に介護経験がある人に、どのくらいの期間介護を行ったのかを聞いたところ、介護を行った期間(現在介護中の人は経過期間)は平均5年1ヵ月という結果になりました。また、10年以上にわたって介護をした(している)という人は17.6%となりました。

また、気になるのがいくらぐらいかかるのか、ということですが、介護に要した費用(公的介護保険サービスの自己負担費用を含む)は、住宅改造や介護用ベッドの購入などの一時費用の合計が平均74万円、月々の費用が平均8.3万円となっています。8.3万円×5年1ヵ月で計算すると、平均約506万円ほどということになりますね。