「オミクロンにワクチンは効かない」は真実ではない

オミクロンでは、「ワクチンを打ってもオミクロンには感染する」「オミクロンにワクチン効かない」と声を上げる方がいます。ですが、ワクチンに関しては「効くか、効かないかの2択」ではないんです。

ワクチン効果として今まで一番大事だったのが、接種後にできた「中和抗体」でした。中和抗体がコロナウイルス周りのスパイク蛋白にしがみつくことで、ウイルスが私達の細胞内に入ろうとするところをブロックしていました。

しかし、オミクロンのスパイク蛋白は形が変異しており、中和抗体がくっつきにくく、感染予防効果が落ちてしまいました。また、1回目と2回目の接種によって作られた中和抗体の量も時間と共に落ちてきているので、「接種から時間が経ってしまった状態での2回の接種だけではオミクロンに関しては発症予防効果は30~40%ほどしかないという研究結果がイギリスから報告されています。

でも、落胆しないでください。同じ研究の中で3回目を接種するとそれが70~80%に上がるということも報告されています

3回目接種により、まずは単純に中和抗体の量を上げることができます。くっつきにくいスパイク蛋白にも「数撃ちゃ当たる」ところもあり、オミクロンに対しても3回目の接種によって感染予防効果は上がると報告されています。 

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さらに、ワクチンの接種の意味は、中和抗体作成だけではありません。それ以外に、B細胞やT細胞の免疫(細胞性免疫)を活性化する役目もあります

中和抗体はウイルスの細胞内侵入をブロックする役目ですが、T細胞は、入ってしまったウイルスを殺す役目です。ワクチンによって活性化されたT細胞が今まで通りこの役目を果たしてくれるので、感染後にウイルスが増えにくくなり、感染者数の増加に比べて亡くなる方、重症化する方の数を低く保てるのです。

3回目の接種は、中和抗体の数を上げ、細胞性免疫を活性化し、感染の際の重症化を防いでくれる。接種は十分に意味があるものなのです。

日本は全人口の78.5%がワクチン2回接種済みですが、実は今1回目、2回目を打ってる人もいます。そして3回目はまだという方がほとんどだと思います。

我が家では、6歳の長男は11月に接種を済ませ、次男が12月に5歳になり、アメリカは5歳からファイザーのワクチンが打てるので誕生日翌日に1回目を打ちました。子どもの接種も徐々に進んでいます。日本でも1月21日に厚生労働省が、5歳~11歳の子どもを対象にした新型コロナワクチンについて特例承認しました。

欧米で進んでいた子ども(5~11歳)のコロナワクチンの接種が日本でもスタートすることが決まった。写真はイメージです。photo/iStock

オミクロンの感染拡大では、子どもたちの友達や、私の友人のお子さんでも感染してしまった子を何人も知っています。そういったお子さんの感染した状態を伺うと、やはりワクチンを接種していない子どもは、重症化しなくとも結構つらそうだと感じています

感染拡大の際、周りにワクチンを打った人が多ければ多いほど、そして個人が接種した回数が1・2・3回の中で多ければ多いほど、周囲のリスクが下がります。ワクチンが打てない4歳以下の子どもや、打っても期待通りの免疫が付かないこともあるご高齢の方や免疫不全の方々の感染リスクは、彼らを取り囲む人の感染率・ワクチン接種率で決まります。

そういったことからも、ワクチンが打てる人はできるだけ3回接種し、感染予防も同時に行うことはとても意義があることなのです。