2022.01.21

他人事じゃない“天涯孤独”…ひとりで生きるために必要な「心の準備」

「今を生きる」という考え方

あるとき、ふと思った。ひょっとしたら自分は将来、天涯孤独になるんじゃないか?

1977年生まれの44歳、男。父親はすでに鬼籍に入っており、母親はすでに後期高齢者入りしている。きょうだいは2歳上の姉一人。現在は妻と一人娘との3人暮らしで、甥や姪はいない。

母親は自分より先に亡くなる確率が高そうだ。男性の平均寿命のほうが短いとはいえ、妻と姉が自分より先に亡くなる可能性もある。あまり考えたくないことだが、娘が先に亡くなることもないとは言い切れないし、生きていても何らかの事情で音信不通になる将来もゼロではないだろう。

妻と娘と姉と母。いま自分が家族のつながりを感じていられるのは、この4人がいるおかげだ。厳密にいえば叔父や叔母、いとこも多くは存命だが、生活圏が重ならないことを理由に連絡を取らない不義理を重ねているため、生涯を通して身を寄せる関係にはなりそうにない。法的な距離感よりも遠いところにいる。

この4人がいなくなったら、自分はいとも簡単に事実上の天涯孤独になる。

そして思う。大なり小なりそうした不安を抱えている人はいまの日本にたくさんいるんじゃないか、と。

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2人に1人が孤独死を心配する時代

国立社会保障・人口問題研究所の出生動向調査によると一組の夫婦が生む子供の数は50年前から2人前後であまり変わらないが、合計特殊出生率(15~49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの)は2.1強から1.5以下まで下降している。この乖離が意味するところの1つは未婚率の増大だ。男女ともに独身率が漸増しており、2030年頃には男性は3割近く、女性は2割近くまで達すると予想されている。

夫婦の完結出生児数と合計特殊出生率の推移。国立社会保障・人口問題研究所「出生動向基本調査(第1~15回)」と、令和3年版厚生労働白書を元に筆者が作成した。
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団塊の世代では当たり前にいた4~5人きょうだいが稀になり、現役世代以下ではいても1~2人という状況が今後も長く続きそうだ。それでいて独身を貫くライフスタイルもすでに普通になっている。これからも同世代以下の血縁の絶対数は確実に落ちていくだろう。

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