コロナの時代に「やってはいけない投資戦略」とは?
重症化の例が少ないとの見解もあるが、拡大初期からいまだ時間が経過していないことや、感染者数の増加ペースは今までに例を見ないほど速く垂直に近い急増を見せているため、安易に楽観的な判断を下すには時期尚早だろう。
常に更なる状況の悪化を想定して身構えておくことが肝要だ。
そして、今回のオミクロン変異種の急拡大を受けて、我々のように株式市場に携わる人間が学んだ最大の教訓は、コロナの「収束」を見込んだ市場の見通しや投資戦略を組んではならないということだ。

結局のところ、市場関係者は医療のプロでもなければ、ましてや感染病理学の知識があるわけでもない。そんなほぼ素人同様の人間が、勝手にコロナ禍の収束を見通しの前提とし、アフターコロナの市場や銘柄の上昇に思いを馳せて資金を投じるなど、愚の骨頂であるとしか言いようがない。
特にマクロを見るエコノミストやストラテジストに「勝手にコロナ後の未来を語る人間」が多い印象だが、コロナの安定的な収束を見込んだ強気の見通しを語る自称専門家の意見は、話半分に聞き流しておくのが賢明だろう。
しかし、それはあくまで株式市場の関係者に限ったことで、医療の専門家や研究者による見通しや見解であれば話は別だ。