2022.01.23
# ライフ

『サザエさん』で、「させていただく」という表現が使われていない理由

当時は別の表現がメジャーだった
椎名 美智 プロフィール

当時の磯野家の人々は、補助動詞の「てくださる」を、おそらく相手への敬意を込めて他の動詞と一緒に尊敬語として使っていたのだと思います。まさかその半世紀ほど後に、「実家に帰らせていただきます」という定型表現でしか使われていなかったレアな「させていただく」の時代が来るなどとは、磯野家の人たちは夢にも思わなかったでしょう。

言葉の使い方は時代によって異なることがよくわかりました。また、ブレイク前の『サザエさん』の時代には、「させていただく」はほとんど使われていないこともわかりました。『サザエさん』の連載が始まって40〜50年くらいたってから「させていただく」が「ブレイク」したように見えるわけですが、本当のところは、その40〜50年くらいの間に、静かに使用が広がっていたのかもしれません。

 

『サザエさん』でどう使われているかを調べたおかげで、ブレイク前の時代の「させていただく」の用例を集めるには大量のデータを見なくてはいけないことがわかりました。

ここからさらに『「させていただく」の使い方』では、いつ「させていただく」という言い方が出現し、定着したのか、少し詳しく見ていきます。

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