2022.01.23
# ライフ

『サザエさん』で、「させていただく」という表現が使われていない理由

当時は別の表現がメジャーだった
「飲食は禁止させていただいておりますので、ご了承ください」
「10%割引させていただきます」


日常でもよく見聞きする「させていただく」という表現。一般的に広がりつつあるものの、どこか違和感を覚えている人も少なくないのではないでしょうか? そんな「させていただく」に真正面から切り込んだ新刊『「させていただく」の使い方』から、あの国民的な作品に関して、ご紹介します。
 

サザエさんは「させていただい」てない

文庫版『サザエさん』全45巻には、1946年から1974年までの約39年間の約6500作品が集められています。「させていただく」の使用が増加する1990年より半世紀近く前から15年ほど前までの作品です。「まずは「実家に帰らせていただきます」という定型文句が見つかりました。はたしてそれ以外にも「させていただく」は使われているでしょうか?」

『「させていただく」の使い方』で詳しく見ていきますが、人にモノをやったり、人からモノをもらったりする「やりもらい」を示す動詞を、授受動詞と呼びます。授受動詞には2種類の使い方があります。

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一つ目は、「お母さんから誕生日のプレゼントをもらった」場合のように、実際にモノなどが移動する使い方で、「本動詞」といいます。

もう一つは「友達に本を貸してもらった」場合のように、「て/で」を前に付けて「てもらう」という形にして、「貸す」といった動詞の後ろに付けて、助動詞のように使う場合で、これを「補助動詞」と呼びます。ここでは、授受動詞の前に「させて」が付いた使い方も補助動詞用法に含めています。

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