どちらかが「加害者・被害者」になってしまう

結婚式を挙げる半年ほど前、「どちらも姓を変えたくない」というジレンマについて晴人さんは職場の女性の先輩に相談した。すると、女性の先輩は理解を示し、知り合いに「3年ごとに姓を変える夫婦がいる」と教えてくれた。その日帰宅した晴人さんは、早速京子さんに伝える。しかし、京子さんは姓をしょっちゅう変えることに当初、戸惑いを感じたという。

「姓って普通はあんまりころころ変えるものじゃない。だから、くじ引きでどちらかが姓を変えることにしようかと思っていました。でも、その方法だと結局私たちの片方が様々な負担を背負い、どちらかが加害者・被害者になってしまう。考えてみれば、3年ごとに離婚・結婚して改姓するのが現状では合理的な解決法だと思いました」(京子さん)

〔PHOTO〕iStock

晴人さんは当時の心境をこう吐露する。

「正直、京子が賛成するなんて驚きました。だから最後の最後まで、『本当にこんなことやるのかな』と半信半疑だったんです」

新婚旅行の3カ月後に結婚届けを出した2人。新婚旅行中、改姓について京子さんの意思を確認すると、彼女の心は決まっていた。晴人さんも「とうとうやるんだ」と実感したという。

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両親が見せた意外な反応

2人の両親は彼らの決意についてどう思ったのか。

「両親には特に相談せず、結婚届を出した半年後に報告しました。すると、父親には『そういうことにこだわりを持つと生きにくいと思うぞ』と注意されました」(京子さん)

京子さんの父親は、“正しさ”にこだわりすぎると生きづらくなり、夫婦仲にも悪影響を及ぼすこと、そして、若い2人が世間から批判されることを心配していたが、特に反対はしなかった。最近では、「夫婦別姓はまだ制度化されないのか?」と聞いてくるようになったという。