体内ではどんな現象が起こっている?
ラゲブリオが新型コロナにどのような形で効果を示すかを説明するために、新型コロナウイルスに感染した場合に、体内でどのような現象が起こるかについて簡単におさらいしておこう。
新型コロナウイルスは、表面にいくつもアンテナのような突起がついたボール状の模式図で表現されることが多い。
このウイルスは、ウイルスの遺伝情報の本体であるRNAとそれを保護する「ヌクレオカプシド」と呼ばれるタンパク質がくっついたものを、エンベローブと呼ばれる脂質の膜で包んでおり、その膜の表面からは「アンテナのような突起」と表現したスパイクタンパク質が突き出している。
こうした構造は他のコロナウイルスにも共通し、その形が王冠に似ていることから、ギリシャ語で王冠を意味する「corona(コロナ)」の名前が付けられている。
ヒトの体内に侵入した新型コロナウイルスは、ヒトの細胞表面にあるタンパク質にスパイクタンパク質が取り付き、そこから細胞の中に入り込む。
細胞内に入り込んだウイルスは自分のRNAを放出し、ヒトの細胞を間借りして最初に「RNAポリメラーゼ」と呼ばれる酵素を作る。
その後、もともとのウイルスRNAとRNAポリメラーゼを使うことで、新たなウイルスRNA、スパイクタンパク質、ヌクレオカプシド、エンベローブなどがコピーして作られ、これらが組み立てられて体内で次々と新たなウイルスができ、感染が進行する。