新型コロナの飲み薬「モルヌピラビル」、副作用は大丈夫なのか? 最新研究を徹底解説する

昨年末に厚労省によって認可された、新型コロナウイルスの飲み薬・ラゲブリオ(一般名・モルヌピラビル)が注目を集めている。【前編】「コロナの飲み薬「モルヌピラビル」は、本当に「救世主」なのか? 最新の研究が示すこと」では、この薬の作用機序について解説した。以下では、副作用のリスクについて最新の研究から紹介する。(本記事は1月15日時点までの情報に基づいている。)

副作用は起こっても軽度

昨年末、厚生労働省によって新型コロナの軽症患者でも使える世界初の飲み薬・ラゲブリオ(一般名・モルヌピラビル)が特例承認されたが、その副作用のリスクはどの程度なのだろうか?

ラゲブリオの承認根拠となった「MOVe-OUT試験(MK-4482-002)」と呼ばれる臨床試験の結果によると、ラゲブリオの副作用については、臨床試験のラゲブリオ・グループで30.4%、プラセボ・グループで33.0%の「有害事象」が報告されている。

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有害事象とは平たく言うと、「ラゲブリオあるいはプラセボを投与後に起きた好ましくない症状のすべて」であって、副作用とイコールではない。副作用はもう一歩踏み込んで「有害事象の中で薬剤との因果関係が否定できないもの」を意味する。

この有害事象の中でも限りなく副作用に近いと言われる「臨床試験に参加した医師が治療薬に関連したと判断している有害事象」の発生率は、ラゲブリオ・グループでは8.0%、プラセボ・グループでは8.4%である。

ラゲブリオ・グループでの主な有害事象と発生率を見ると、下痢が1.7%、吐き気・ムカつき(悪心)が1.4%、めまいが1.0%。この他に1%未満の発生率でじんましん・湿疹、嘔吐、また頻度不明なものとして薬剤による中毒性湿疹がある。

もっともラゲブリオは現時点で使用経験が少ないため、極めてまれにしか発生しない有害事象(副作用)はまだ検出できていない可能性がある。今後、服用患者が多くなるにつれ、この点が明らかになる可能性はあるが、とりあえず現時点で分かっているものは軽度のものがほとんどだ。

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