2022.01.17
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IMFの警告…2022年、狙われる新興国「BEAST」とはいったい何か?

米利上げで「より不透明」になる新興国
唐鎌 大輔 プロフィール

新興国経済の「本当の問題点」

今回、IMFが新興国の見通しに関して「より不透明(more uncertain)」と形容しているのは大袈裟ではない。

現状、多くの新興国はインフレ率および公的債務の高止まりに直面しているが、この点についても「新興国の政府債務残高は2019年以降、2021年末までに名目GDP比で10%ポイントも押し上げられ64%に上ると推計される」と述べられている。

図表1 非金融部門向け与信の伸び
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もっとも、そうした政府部門の債務負担増は先進国も同様であり(図表1)、新興国だけが突出して膨らんでいるわけではない。

問題はそのような政府部門の負担と引き換えに実体経済が押し上げられているわけではなく、例えば米国と比べれば景気も労働市場も勢いを欠いているという点にある。

そうした成長率の劣後は先進国に比べて新興国の医療体制が脆弱で、ワクチンの調達・接種状況も劣後しているという防疫政策上の問題点にも起因していると考えられ、早晩解決しそうにないことも問題である。

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