2022.01.20
# 世界経済

我々がトルコに学ぶべきこと―インフレ対策「言うは易く行うは難し」

勝負はこれから数年から数十年

複合危機だからいつもよりも難しい

「トルコリラ下落、経済団体首脳が政策を疑問視」と1月6日に報道されたが、トルコの経済団体首脳でなくても、エルドアン大統領の「インフレ下の利下げ戦略」には首をかしげざるを得ない。

by Gettyimages

確かに、「景気をよくするために利下げを行う」というのは主要先進国でも日常的に行われている政策である。だが、例えば過去四半世紀に及ぶ日本の(超)低金利で景気が浮上したかと言えば、そうとは言いにくい。

2018年8月13日公開「異次元緩和でも日本にインフレが起こらない極めてシンプルな事情」で述べたように、デフレで需要が弱い時にいくら資金を供給しても、景気はよくならず物価も上昇しない。大量に流れ込んだ資金が、金融・不動産市場に流れ込んでバブルを起こすだけである。

そして我々は現在、そのバブルの頂点の上で「暴落」(特に米国株式市場)を待っているのが実情である。

 

それでは、「インフレ」の状態で「金融緩和政策の続行」あるいは「利下げ」を行ったらどうなるか。

一般的に社会科学で「実験」を行うことは非常に難しいが、エルドアン大統領が壮大な「社会実験」を行ってくれたから、わざわざ理論の詳しい解説をしなくても、「トルコを見ればわかる」といえよう。

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