岸田政権の残念な「オミクロン対応と経済政策」で、また日本がデフレ脱却に失敗しそうなワケ

村上 尚己 プロフィール

その上で米国同様に、経済成長押し上げに直結する大規模な給付金などで家計の支出が刺激されれば、米国と同程度の高成長が起きただろう。「たられば」になるが、日本で最大の問題であった低インフレから脱却して、米欧と肩を並べるようなインフレ率の大幅な上昇の可能性があったのではないか。新型コロナ問題には多くの人が苦しんでいるのだが、日本経済にとってはデフレ克服のきっかけを提供しているとの評価ができる。

 

岸田政権には期待できず

2022年早々に日本でもオミクロン変異株の広がりで感染者は増えているが、治療効果が高い経口薬が広がれば、新型コロナの状況は大きく変わる可能性がある。新型コロナが経済成長を抑制しなければ、日銀の金融緩和政策の効果が強まり、米欧に追いつく格好で日本のインフレ率も2%に近づくシナリオにも期待できる。

この意味で、日本はデフレ克服のチャンスはまだあるとも言えるが、一方で、岸田政権がしっかりとコロナ対応を繰り出し、成長を高める経済政策を行うかどうかについて筆者はあまり期待していない。むしろ、アベノミクス路線からの転換につながりそうな、「新しい資本主義構想」が具体化する中で、脱デフレの前に経済成長を抑制するマクロ安定化政策に転じるリスクがある。

具体的には、「モノから人へ」の方針のもと所得分配政策が強まり、金融所得税をはじめとした増税と公的部門の肥大化が同時に実現する。「コンクリートから人へ」のキャッチフレーズを打ち出し増税政策に邁進して、経済官僚に金融政策を任せた、かつての民主党政権の失敗を繰り返すとすれば最悪である。

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