岸田政権の残念な「オミクロン対応と経済政策」で、また日本がデフレ脱却に失敗しそうなワケ

村上 尚己 プロフィール

日本の物価の現状

こうした中で、日本の状況はどのように位置づけられるか? 先進各国でCPI(消費者物価)が大きく上昇するなかで、日本のエネルギー除いたベースのCPIコアは前年比−0.6%(2021年11月)である。携帯電話料金の引き下げで押し下げられているので、これを除けばエネルギー除くCPIコアはプラスになるが、それでも1%未満が基調的なインフレ率になるだろう。

米国とは異なり、日本ではインフレ率が依然として低すぎるので、今後の政策対応次第ではデフレに陥るリスクをケアする必要がある。そのため、必要な政策対応も米国とは大きく異なる。

2021年の米国で見られたように、効果的で十分な財政政策がしっかりと実現していれば、日本でも経済成長が上振れ同時に2%に近づくインフレ上昇が起きていた可能性があると筆者は考えている。

 

実際には2021年1-3月からは経済成長が止まり、ほぼゼロ成長で停滞したことで、CPIはわずかなプラスにとどまった。最大の要因は、米欧対比では規模が小さいコロナ感染拡大に対して、医療資源が早々に逼迫したことである。

このため、緊急事態宣言が長きにわたり発動され、民間の経済活動が萎縮した。医療機関に対して危機時のガバナンスが行われた米欧のように医療資源が機能していれば、2021年に日本でも経済成長率は上振れたと筆者は見ている。

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