岸田政権の残念な「オミクロン対応と経済政策」で、また日本がデフレ脱却に失敗しそうなワケ

オミクロン株の急拡大

2021年末から各国でオミクロン変異株の感染拡大が続いている。最初に感染拡大が起きた南アフリカに続きイギリスなど欧州で感染者が増え、やや遅れて2021年末には米国でも感染者が急増、昨年半ばのデルタ株の感染期のピークを大きく超えてすでに感染者は増えている。米国でも、レストラン予約数が昨年半ば同様に減少するなど、2022年早々に一部サービス消費へのブレーキが強まっている。

従来の変異株よりもオミクロン株の重症化率が低いことは、南アフリカや欧州の状況を見れば明らかであるが、死者が抑制されるとしても、米国の入院患者はデルタ株が拡大した昨年半ば時点をすでに上回っている。昨年半ばにデルタ株が拡大した時期は、経済政策の効果もありサービス消費全体はほぼ影響をうけなかったが、2022年早々に再び新型コロナが経済全体の足かせになるリスクが浮上している。

アメリカではワクチンのブースター接種も行われている〔PHOTO〕Gettyimages
 

周知の通り米欧では新型コロナによって、これまで人口対比でも多くの死者、感染者がでている。ただ、2021年に米国経済は5%超の高成長(筆者試算)となり、同年4-6月時点で実質GDPの水準は新型コロナ禍前を超えた。新型コロナ直後の落ち込みが大きく、そこからの反動増もあるので、5%超の高成長といっても経済全体が加熱している状況ではないだろう。

一方で、2021年は政策当局の想定を上回るインフレ率上昇が米国中心に起きており、米国ではインフレ抑制が政治的な優先事項になっている。コロナ後の米欧で起きていることは、1990年代半ばから長期間続いている世界的な低インフレが永続するとの見方が覆ったことを示唆すると筆者は考えている。インフレは究極的には貨幣的な現象であり、政策当局が繰り出す金融財政政策によってインフレ率は上昇するのである。

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