フン・セン首相のミャンマー訪問…軍政にお墨付きを与えASEAN内部の亀裂に発展か

成果どころかマイナス効果
大塚 智彦 プロフィール

スー・チーさんにさらに禁固4年判決

また、ASEANによる「5項目の合意」で言及されているスー・チーさんら、身柄を拘束されている民主政権幹部や与党「「国民民主連盟(NLD)」の関係者らとの面会、和平に向けた協議への参加に関しては一切の進展はなかったという。

ただ、会談でミン・アウン・フライン国軍司令官は、同じく身柄を拘束され国家機密漏洩の容疑で公判中のオーストラリア人で、スー・チーさんの経済顧問だった経済学者ショーン・タネル氏に関しては「裁判終了後にその扱いを考慮し、フン・セン首相にいいニュースを届けることを約束する」と述べ、大幅な減刑あるいは強制退去処分による解放もありうるとの考えを示したという。

そうした中、1月10日には、スー・チーさんに対する違法な無線機(トランシーバー)を海外から輸入した輸出入法違反と、スー・チーさんが国家最高顧問兼外相だったクーデター前の民主政権時代に新型コロナ対策で十分な感染拡大策を講じなかったとする公衆衛生法違反に対して合計禁固4年の判決が言い渡された。

 

 
これは12月6日、社会不安を煽ったとする扇動罪などで禁固4年の実刑判決が言い渡されたこと(その後軍政の恩赦により禁固2年に減刑)に続くもので、合計4つの訴追容疑に対して2つの実刑判決が言い渡されたことになる。

スー・チーさんには依然として複数の容疑による公判が続いており、さらなる禁固刑の判決が見込まれている。

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