できる治療はあるのか

「本当に治療法はないのか?」「何かALSに効くものがあるのではないか?」という希望をもって色々な方々が研究をしているのも確かです。民間療法と言われているものも含めて、そしてIPS細胞などの治療研究の第一人者と呼ばれる人たちが日夜努力を重ねているのです。SNSを通じて発表されているニュースなどを見るにつけて、だいぶ研究も進んでいるという事が分かります。

しかしながら、確固たる治療法にたどり着くまでには時間がかかりそうなのも感じます。治療法は認可されるまでに時間がかかるということをご存じの方も、一連のコロナウィルス禍で多くなったと思います。認可は当然ながら「安全」が基盤となります。「効くけど、ここに弊害が出る」という副作用が出ることは、極力避けなければならないのです。

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そのために「治験(医薬品もしくは医療機器の製造販売に関して、医薬品医療機器等法上の承認を得るために行われる臨床試験のこと)」というものが行われて、そこで結果が出て承認されて初めて世の中に出るのです。そしてここで注意したいのが、治験を経て世の中に出たからと言っても治療薬や治療法とは限らないという事です。病気の進行を遅らせるという「対症療法」も含まれるという事です。

ALSはこの対症療法の薬しか認可されていないのです。そして最近「進行が止まった」という治療研究薬の話題が出ましたが「治った」ではないのです。マウスで研究したところ、「他のマウスよりも数ヵ月延命した」という結果は、「治った」のではなく「進行を遅らせた」という結果になるのです。なんだか言葉の上げ足を取っているようですが、我々罹患者にとっては大事なことなのです。

ですから、現在医学的に認可されている治療法はないという事になります。民間の治療法や健康法もたくさんありますが、全てのALS罹患者に効くというものはないようです。もしもあったらSNSでも大きな話題になっているのではないでしょうか?

進行を遅らせるために自主トレ中 写真提供/津久井教生