書き続けている今の状態とは

相変わらず個人差のあるALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病なのですが、一つ間違っていない現状を上げるとすると「今が一番元気」ということです。これはALS罹患直後から言われていた「津久井さん、病気が治ったらまた一緒に何かをやりましょう」「津久井さん、無理をせずにゆっくり治療なさってください」という本当に温かい言葉に対して私が言い続けてきた言葉です。

せっかく私に気を遣って言ってくださっている方々に対してですから「そうですね、ありがとうございます」と言えばそれで済ますことができる会話です。でも私は「いえいえ今が一番元気なんです、実はこのALSと言う難病は……」と出来る限り、この会話をすることを心がけてきました。そして罹患して時間が経過した現在も「今が一番元気」という病状になるのがALSなのです。

-AD-

徐々に出来ない事が増えていく病気進行の時系列をこうしてお伝えしているわけです。多くの余命宣告をされての闘病記がありますが、私の場合は闘病記と言うよりも観察日記に近いかなぁと書いていて思うのです。ALSの診断と共に埼玉医科大学病院を退院して月に1回のペースで通院していますが、受診して主治医にやっていただいているのは経過観察です。血液検査もしていますが、ALSのためというよりもそれ以外の病気予防が主になっている感じです。

「治療法がないという事は闘う方法がないという事なのですよぉ~(笑)」と周囲に説明する事も多いのです。治療法があれば投薬などをして体の状態を作っていき、手術を受けるという闘病のプランも出来ていくのです。ALSに対して「こうやって攻めていって、最終的に打ち負かす」という攻略でゲームクリアに持っていけるのです。しかし残念ながら今は一方的に攻められてゲームオーバーを待つ状態なのです。

治療法がないということは、こんなにも無力なことなのです。これは治療法のない病気に罹患した患者だけでなく、家族を始めとした周囲の人や医療関係者の方たちも感じている事だと思います。こんな説明をしたうえで「今が一番元気」なのです。

今が一番元気。それがALSという難病の現実 写真提供/津久井教生