2022.01.24
# ライフ

「お金がない」と怯えて暮らしていた87歳認知症の女性が「終の棲家」を見つけるまで

福田 亮 プロフィール

こんな夢みたいな話、あるわけない……

「こんな夢みたいな話、あるわけないじゃない。あんた、騙そうとしてるでしょ」

佐々木さんは、お店の経営がうまくいっていなかったこともあり、お金に対する恐怖心を常に抱えていました。「お金がない、お金がない」といつも怯えて暮らしていたようです。

生活費が足らず、あちこちの金融機関から督促状が届く。家賃もずっと滞納している。認知症の診断も出てしまって、お店を続けることも難しい。そんな状態でしたから、お金に対する不安があって当然と言えば当然なのですが。

でも、本人は何から手を付けていいのか分からない。「お金もないし、この先どうやって生きていけばいいのかしら……」そう思っていたのです。

それが、保佐人をつけることによって、施設で安心して暮らせるようになりました。施設で友達もたくさんでき、「毎日、楽しいわよ」と言っています。もう住まなくなった自宅マンションを適正な価格で売却することができたおかげで、そこから借金を返し終わり、さらに預貯金が3000万円以上残りました。

その預貯金も保佐人が管理するので、今後、騙し取られたりする心配もありません。

佐々木さんには、もちろん事の詳細を丁寧にお伝えしたのですが、あまりよく理解できなかったのか、施設に入居する際、「こんないいところに連れてきてもらえて、夢みたいだけど、私、お金ないのよ」と、心配していましたね。

Photo by iStock
 

「佐々木さん、借金は全部なくなって、今、貯金が3000万円ぐらいあるんですよ」と伝えると、「なんで?」と、すごく驚いて。「こんな夢みたいな話、あるわけないじゃない。あんた、騙そうとしてるでしょ」って言われちゃいましたよ。

前編にも書いたように、騙そうとしていたのは、別の人なんですけどね……。

取材・文/稲田和絵

SPONSORED