ワシントンデビューのベアボック外相を悩ませる「ドイツの深刻なエネルギー事情」

本当はロシアのガスが必要なのだが…

3党連立新政権の船出

昨年12月10日、ドイツに社民党(SPD)のオラフ・ショルツ首相率いる新政権が発足した。緑の党、自民党(FDP)との3党連立政権である。

ドイツの政治に詳しくない人のために少し付け加えれば、現在、政権の座についた社民党は、過去16年のメルケル政権のうち12年間、連立政党として政権に加わっていた。つまり、ショルツ首相はついこの間まで、メルケル首相の下で副首相と財務相を務めていたわけで、下手に前政権を批判すると、それはブーメランのように我が身に戻ってくるという難しさを抱えている。

Gettyimages

一方、今回、連立に加わった自民党は、自由な市場経済を重視するリベラル党で、信条としては保守。本来は、社民党とも緑の党ともそれほど相性は良くないが、社民と緑の2党だけでは過半数が取れないために駆り出された。現在、財務省、法務省、文科省、そして、新設のデジタル・交通省を手にしており、政務ではそれなりの成果を上げると思われる。

なお、一番目立っているのが緑の党。中でも注目を浴びているのが、同党のダブル党首であるアナレーナ・ベアボック氏(41歳・女性)とロバート・ハーベック氏(52歳・男性)。いわばこの二人が、地味なショルツ新政権の目玉だ。

ベアボック氏は、ドイツ初の女性の外務大臣に、そしてハーベック氏は、新しく設立された経済・気候保護省に就任。後者は、気候政策と経済発展を両立させるための省で、しかも、全ての省庁の上に立つスーパー省になる。

 

ただ、今のところ、どう見ても、スーパー省を率いるハーベック氏の方が、ベアボック外相よりも分が悪そうだ。というのも、野党であった緑の党が主張してきた気候政策は、どれもこれも膨大な補助金をつけてようやく成り立つ性格のものなので、そう簡単に経済発展には結びつきそうにないからだ。

与党になってようやくそれに気づくとは自業自得ではあるが、呻吟するハーベックの傍らで、ベアボック外相だけが精力的に飛び回っている。就任早々のG7の外相会議を皮切りに、パリ、ブリュッセル、ワルシャワ。年が明けた5日には、ブリンケン米国務長官との会談のためワシントンへ飛んだ。

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