習近平とプーチンが、台湾とウクライナで起こしうる「最悪のシナリオ」

もはやアメリカも止められない
長谷川 幸洋 プロフィール

事態が動くのは、やはり「2月20日」ごろ

プーチン大統領には、締切時間もある。

ウクライナに武力で侵攻するには、気象が大きな条件になるからだ。ウクライナ東部が春を迎えると、現地は土地がぬかるんで、戦車や兵士が前進するのに大きな障害になる。したがって、侵攻するなら、地面が凍結している間に実行しなけれならない。

1月10日付のニューヨーク・タイムズによれば、今年の冬は暖かく、現地では地面の凍結が遅れている。1月時点で多くの地域が凍結していず、プーチン氏はもし、やるとしても「早くても、2月まで侵攻作戦を遅らせざるをえない」という。そのうえで、雪が解ける3月までには大勢を決着していなければならない。短期決戦である。

もう1つの要因は、北京冬季五輪である。

北京五輪は2月4日に開幕し、同20日に閉幕する。その後、パラリンピックが3月4日に開幕し、同13日に閉幕する。プーチン氏とすれば、盟友であり、侵攻後は支援も期待する中国の一大イベントを邪魔したくないだろう。

中国の習近平国家主席[Photo by gettyimages]
 

雪が解ける3月までは待てないとすれば、先の公開コラムで書いたように、2月20日の五輪閉幕前後が侵攻の絶好のチャンスになる。逆に言えば、それまではズルズルと米欧との交渉を引き延ばしていても、OKなのだ。

以上から、ロシアは来週以降も交渉を続ける可能性がある。だからといって、侵攻を防げるかと言えば、楽観できない。もしも、戦争になれば、これも先のコラムで書いたように、米国は2正面作戦を強いられるので、中国には台湾侵攻のチャンスになる。ここから1カ月が、世界と日本にとって、正念場だ。

1月11日、12日、13日公開の「長谷川幸洋と高橋洋一のNEWSチャンネル」は、前統合幕僚長の河野克俊さんをゲストにお迎えして、自衛隊の基礎知識から尖閣防衛シミュレーション、さらに、台湾有事と米国の動向について議論しました。ぜひ、ご覧ください。
 
 
 

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