習近平とプーチンが、台湾とウクライナで起こしうる「最悪のシナリオ」

もはやアメリカも止められない
長谷川 幸洋 プロフィール

1月8日付のニューヨーク・タイムズによれば、米国はロシアが武力侵攻した場合、ロシアを国際金融取引の銀行間ネットワークシステムであるSWIFTから締め出すとともに、軍事用か民生用かを問わず米国製品のロシア向け輸出の禁止、さらにはウクライナ国内の反ロシア勢力に対する武器供与などを検討している、という。

米国は「SWIFTからの締め出しはロシア経済に大きな打撃になる」と期待しているが、専門家の中には「ロシアは中国の支援を受けるので、さほどダメージは受けない」という見方もある。いずれにせよ、ロシアが予想される経済制裁に備えているのは、間違いない。

バイデン米大統領[Photo by gettyimages]

私は、経済制裁が武力侵攻の抑止に大きな効果を発揮するとは思えない。2014年のクリミア侵攻では、当時のバラク・オバマ政権が経済制裁を課したが、ロシアに大きな打撃を与えられなかった。今回は「その反省を踏まえている」と言われるが、それでも、中ロが協力すれば、乗り越えてしまうだろう。

 

バイデン大統領の「失言」

それよりも、昨年12月10日公開コラムで書いたように、危機が勃発した初期の段階で、ジョー・バイデン米大統領が「米軍をウクライナに派遣する意図はない」と明言してしまったことが、逆効果になったと思う。

大統領自ら、早々と「米国はロシアと戦争する意思はない」と言ってしまったのだから、プーチン氏とすれば、事を起こす前に、最大の懸案事項が取り除かれたも同然だ。

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