2022.01.18
# 節約 # 年金

年金を「75歳」から繰り下げ受給すると、逆に「大損」するかもしれないワケ

税金や医療費のこと、考えていますか?
森永 卓郎 プロフィール

最大の問題は「住民税」

しかも問題は、税金や社会保険料だけではない。一番大きな問題は、住民税が非課税でなくなると、さまざまな負担が降りかかってくるということだ。例えば、住民税が非課税だと、介護保険料が軽減されたり、高額療養費の自己負担上限が低くなったり、自治体からのさまざまな補助の対象になる。住民税非課税世帯ではなくなった途端にこれらのメリットは消失してしまうのだ。

現行の平均的な厚生年金の受給額は175万円だから、単身者の場合、公的年金等控除の110万円と住民税の基礎控除の43万円、社会保険料控除15万8000円の合計168万8000円を超えるので、年金だけで住民税非課税ではなくなってしまう。一方、扶養配偶者がいる場合は、扶養控除の33万円が加わるので、住民税は非課税になる。

Photo by iStock
 

ただ厳密に言うと、住民税が非課税となる年金収入の年額は、居住する自治体によって微妙に異なるが、東京23区内の場合、単身者は155万円以下、扶養配偶者がいる場合は211万円以下となっている。そのため、夫が元サラリーマンの場合でも、国民年金の配偶者がいる場合は、住民税非課税の地位を手にできるのだ。

さらに、年金収入が住民税非課税の水準を超えそうな人にも手はある。年金を繰り上げ受給すればよいのだ。受け取り開始を65歳より前に早める「繰り上げ受給」の場合、2022年4月からは、減額率が1カ月当たり0.4%に圧縮される(それまでは、0.5%)。

SPONSORED