北朝鮮「ミサイル発射」のウラで、各国が進めている「極超音速ミサイル」開発競争

そして、影響は日本の防衛政策にも…
半田 滋 プロフィール

北朝鮮のミサイル発射が追い風となり、政府が検討を進める「敵基地攻撃能力の保有」にお墨付きを与えつつある。

岸田文雄首相は昨年12月にあった臨時国会の所信表明演説で「敵基地攻撃能力も含め、あらゆる選択肢を排除せず現実的に検討する」「新たな国家安全保障戦略、防衛大綱、中期防衛力整備計画を、概ね一年をかけて策定する」と述べている。

昨年12月の臨時国会にて所信表明演説する岸田文雄首相[Photo by gettyimages]
 

10月の所信表明にはなかった「敵基地攻撃能力」の言葉が登場し、国家安全保障戦略、防衛大綱、中期防の改定について「概ね一年」と期限を区切った。つまり今年12月には改定される前記3点セットに「敵基地攻撃能力の保有」が盛り込まれることを意味している。

敵基地攻撃は1956年2月の衆院内閣委員会で、当時の鳩山一郎内閣が「ほかに適当な手段がないと認められる場合に限り」「自衛権の範囲に含まれる」として条件付きで憲法上、許されると答弁した。その一方で、政府は自衛権の行使として敵基地攻撃を行うことは想定していないと繰り返し説明し、憲法問題に発展することを慎重に避けてきた。

しかし、安倍政権下で成立した安全保障関連法の施行を受け、2018年12月に改定された防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画により、護衛艦「いずも」型の空母化や敵の射程圏外から攻撃できる能力を意味するスタンド・オフ防衛能力の保有といった敵基地攻撃に利用できる兵器の保有が打ち出され、国産、輸入を問わず、防衛省・自衛隊は着々と導入を進めている。

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