北朝鮮「ミサイル発射」のウラで、各国が進めている「極超音速ミサイル」開発競争

そして、影響は日本の防衛政策にも…
半田 滋 プロフィール

流行に乗り遅れまいとするのは、軍事の世界でこそ顕著だ。日本も例外ではない。

防衛省は2018年度防衛費で「島しょ防衛用高速滑空弾」の研究を始めた。離島奪回が名目の超音速地対地ミサイルで、2028年度以降に装備化される性能向上型は米中ロの極超音速ミサイルとそっくりの飛び方をする。

防衛省が開発を進める島しょ防衛用高速滑空弾(防衛省のホームページより)
 

防衛省は「射程約400キロで他国の脅威にならない」と説明しているが、日本はロケット大国なので射程を延長することはさほど難しくない。

また2020年12月、当時の菅義偉首相は別のミサイルである12式地対艦誘導弾の射程を延ばした能力向上型の開発を閣議決定した。能力向上型の射程は1000キロ以上とされる。

現在、12式地対艦誘導弾が配備されている鹿児島県の奄美大島や沖縄県の宮古島から能力向上型を発射すれば、中国まで届くことになる。こちらは弾道ミサイルというより、超音速で飛ぶ巡航ミサイルに近く、護衛艦や戦闘機からも発射できるようファミリー化を進めている。

能力向上型の開発が決まった12式地対艦誘導弾(陸上自衛隊のホームページより)

「敵基地攻撃能力」へと進んでいく…

おわかりだろうか。日本も敵基地攻撃が可能なミサイルの開発に取り組んでいることを。

北朝鮮の極超音速ミサイルの発射実験を受けて、岸信夫防衛相は12日、「昨今の北朝鮮による核・ミサイル関連技術の著しい発展は、わが国と地域の安全保障にとって看過できない」と指摘。「いわゆる敵基地攻撃能力の保有も含め、あらゆる選択肢を検討し、今後とも防衛力の抜本的な強化に取り組んでいく」と述べた。

関連記事