北朝鮮「ミサイル発射」のウラで、各国が進めている「極超音速ミサイル」開発競争

そして、影響は日本の防衛政策にも…
半田 滋 プロフィール

各国が進める極超音速ミサイル開発

北朝鮮は、昨年1月の朝鮮労働党第8回大会で策定された「国防能力を構築するための5カ年計画」に基づき、極超音速ミサイルの開発を急いでいる。

労働新聞によると、11日の発射に立ち会った金正恩総書記が「ミサイル研究部門の科学者、技術者、当局者による実用的な成果を高く評価し、党中央委員会を代表して特別な感謝をした」と伝えている。

極超音速ミサイルは、マッハ5を超える極超音速で飛翔するとともに、通常の弾道ミサイルと比べ、低い軌道を長時間飛翔し、高い機動性を有するのが特徴だ。

弾道ミサイルと極超音速ミサイルの飛翔経路(防衛省の資料より)
 

放物線を描いて落下する弾道ミサイルと比べて、探知・迎撃がより困難なことから戦況を一変させる「ゲーム・チェンジャー」とも呼ばれ、各国が開発を進めている。

中国は昨年8月、建国70年に当たる2019年の軍事パレードで初公開した極超音速ミサイル「東風17」を試射した。

ロケットで打ち上げられた後、地球の低軌道を回り、標的に向けて滑空した。米軍トップのミリー参謀本部議長は「『スプートニクの瞬間』に極めて近い」と述べ、ソ連による世界初の人工衛星打ち上げに例えて、驚きを表現した。

中国、ロシア、米国で開発が進む極超音速ミサイル(防衛省の資料より)

その米国は10月になって超音速ミサイルの試射を行った。陸軍と海軍の3発は極超音速技術の実証に成功したが、米空軍の1発はブースターロケットの故障で発射さえできなかった。陸軍と空軍が開発の主導権争いを続けるうちに中国に先を越された形だ。

もっとも進んでいるのがロシアだ。マッハ20、射程約6000キロメートルといわれる「アバンガルド」を配備し、プーチン大統領は「現在および将来のミサイル防衛網では対処できない。米国のミサイル防衛網を無力化した」と自信を見せる。

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