2022.01.14
# 中国

北京・冬季オリンピック直前のいま、記者たちが怯える「黒いウワサ」

人がどんどん消えている
週刊現代 プロフィール

「暗黒の世界」に送られる

米誌フォーブスが'11年に、中国共産党が発行する英字紙チャイナ・デイリーの記事を分析したところ、8年間で72人の億万長者が不慮の死を遂げたという。そのうちの15人は殺害され、7人が事故死し、14人が死刑になり、19人が病死した。

「民主国家では、ビジネスでの成功はその後の人生の安泰を意味しますが、中国ではたとえ成功したとしても、人生は常に不安定です。

少しでも共産党の脅威と見なされたり、体制のマイナスにつながると考えられたりすれば、『暗黒の世界』に投げ込まれ、戻って来られません。政府の権限は絶対的で、法律などあってないようなもの。それが中国なのです」(ラックマン氏)

 

欧米が問題視するのがウイグル人に対する「ジェノサイド」(民族大量虐殺)」疑惑だ。新疆ウイグルには1000ヵ所の「強制収容所」が設置され、少なくとも100万人のウイグル人が収容されているとされる。

中国を代表する女子テニス選手、彭帥氏も「暗黒の世界」へと姿を消した。彭氏は張高麗前副首相に性的関係を強要されたと中国版ツイッター、微博に書き込んだため、世界的なスキャンダルに発展。今も本人は公の場に姿を現していない。

「彭さんが失踪してから、共産党系の雑誌、環球時報の編集長が『彼女は安全に生活している。そっとしておいてほしい』と話したり、中国国際テレビが〈私は安全だ〉という彭さん本人のものとされるメールを放映したりしています。

また、IOC(国際オリンピック委員会)のバッハ会長がテレビ会議をする様子も報じられました。しかし、本人の発言は一切出てこない。彼女が本当に自分の意志でやっているのかは確認のしようがないのです」(東京大学教授の阿古智子氏)

一体なぜ、中国がここまでの状態に陥ってしまったのか。その背景を後編の「逆らえば消される…いま中国で起こっている「洗脳」と「監視」のすべて」で明らかにする。

『週刊現代』2021年12月25日・2022年1月1日号より

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