2022.01.13
# エンタメ

なぜ「女性の落語家」は少ないのに「女性の講談師」が多いの…? その「意外な理由」

堀井 憲一郎 プロフィール

ただ、落語も同じころに衰退していったが、そののち何とか盛り返していることを考えると、20世紀初頭の「講談」は「売りどころ」を間違えていたと考えたほうがいいのかもしれない。

戦争期に大きな打撃を受け、戦後、人が尽きるようにいなくなった。

明治大正のころに講談師になった人は戦後もまで続けていたが、その人たちが亡くなっていくと、演者がみるみる減っていったのだ。

戦後、新しく講談師になる人はごく少数であった。

よほど時代遅れだとおもわれていたのだ。

 

女性講談師の増加

それでも20世紀の終わりころから少し増え始め、21世紀の最初のころ「全国の知事の数と同じ」ということをしきりに聞いた覚えがある。

考えてみれば、20世紀100年かけて、講談はどんどん追い詰められていったわけだ。20世紀は口承芸能にかなり冷たい世紀だった。21世紀は20世紀ほど、手ひどく扱っていない。

いまはもう少し増えて60人を越えている。

増えたのは女性講釈師が増えたからである。

「東京かわら版」発行の演芸家名鑑(2021年8月発行)によれば、東京方では、男性の講談師が23人、女性の講談師が44人である(2021年夏の時点)。

比率はほぼ1対2である。

これでも六代神田伯山の活躍で若い男性の講談師が少し増えたという印象がある。

十数年前は、若手から中堅の講釈師はほぼ女性ばかり、上のほうに少しだけ男性講談師がいる、という風景であった。

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