「東大の理三は意外と現役が多いんです。京大の医学部もわりと現役率が高いかな。でも、地方の医学部はやはり浪人率が高くなりますね。我が家の場合、現役であることは、特に意識はしていませんでしたが、延ばしても、結局また1年多く勉強しないといけないわけですよね。

友達みんなが大学生になってウキウキしているときに、1年予備校に通わなければいけない。それなら、もう現役のときに受験を終えたほうが、子どもも幸せですし、親も気持ちが楽だと思います。受験が来ることは、もう最初から分かっているので。

もちろん、部活動に熱中してもいいし、文化祭に燃えてもいいんです。うちの子も体育祭の応援団の練習で、ひと月くらい塾をお休みしたときもあります。でも、大事なのは、中1からは止まらずに、惰性でもいいので、勉強を続けておく、ということですね。中間や期末の定期テストでは、きちんとそこそこのクリアをして、あとは5~6割のエネルギーで、ゆる~く勉強しておく。自転車をゆる~く漕いでいるようなイメージです。一度止まってしまうと、また始めるのがけっこう大変ですから」

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親としては、長い時間、一生懸命ガリガリ勉強している姿を見たほうが安心はするのだが、それが学力アップに結びつくとはかぎらない。

「結局、続かないですよね、そういうのって。うちでは息子たちが小学生になってからは『あなたたちの仕事は“勉強と遊び”だよ』と言い聞かせていました。1週間の予定表を作って、今日やる勉強を決めておいて、それが終わったら、あとはもうずっと好きに遊んでね、というふうにしていたので。息子たちにはその習慣がずっと染みついていたようで、中学・高校時代も、たくさん遊ぶけれど、ま、勉強もしないとね、という雰囲気がありました。

勉強をまったくしない、ということはなかったですね。でも、毎日2時間も3時間も勉強していたわけではなく(笑)、勉強時間はかけていなかったですよ。短いほうが子どもも集中できますから。高校3年生になって、本当にグッと走り出すときに走ったらいいので、それまではゆるく継続するのがポイントですね」

自転車をゆるく漕ぐように勉強するという上田家のスタンスは、勉強のやり方にも通じる。

「できるだけ少ない努力で、最大限の結果を出すための勉強法を、よく考えていました。たとえば時間をかけてノートをまとめても、実は作業をしているだけで、ただ勉強している気分になっているというケースが多いと思うんです。勉強はやはりアウトプットが大事。実際に何か問題を解くことで、覚えていくんですよね。暗記でも、1時間かけて1回で覚えるより、5分を3回繰り返して覚えてほうがよっぽど定着したりする。完璧に覚えて、後はやらないんじゃなくて、軽く何回もまわす。そういうことは子どもたちに言っていました」