2022.01.18

どの試合も「満席状態」の注目クラブが「タダ」でグッズを配る“驚き”の理由

B1最高レベルの稼働率の背景

コート内外の“戦い”で「大健闘」

Bリーグ群馬クレインサンダーズが、B1昇格初年度ながら大健闘を見せている。過去の昇格チームがすべて勝率4割以下に沈んでいる中、11勝16敗というここまでの戦績も見方によっては健闘だ。ただそれ以上にクラブは“コート外の戦い”で鮮やかな結果を出している。

試合の様子/撮影 青柳 圭介(Keisuke Aoyagi)

群馬は2012年に発足したプロバスケットボールチームで、2016年に開幕したBリーグでは昨季までB2に属していた。B2プレーオフの常連だったものの集客と経営に苦しむクラブで、例えば2018-19シーズンには準優勝を果たし、成績的には昇格が可能な状態だったが、B1のライセンスを得られずB2にとどまっている。

転機は2019年。大手不動産会社オープンハウスが経営に参画し、まず財務基盤が強化された。2020-21シーズンにはB2史上最高勝率を記録してB1入りを決める。

しかし現場の強化は進んでも、別の大きな壁が立ちはだかっていた。

Bリーグは2026年からリーグ構造を変えて「新B1」を発足させる予定で、B1クラブに課せられる条件は大幅に厳しくなる。VIPルームなどの仕様を満たした5000人以上を収容するアリーナ、年間売上12億円、1試合平均4000人の集客が新たなハードルだ。

群馬が過去に記録した1試合平均の最多観客数は2019-20シーズンの1263人。これを第1次審査が行われる2024年1月の時点で平均4000人に増やすとなれば、生半可な努力では不可能だ。しかも今季(2021-22シーズン)はホームを前橋市から太田市へ移しており、地元のファンを新たに呼び込む必要があった。

クラブはこの課題に取り組み、成果を出しつつある。

 

オープンハウスグループから新B1入りのキーマンとして送り込まれた吉田真太郎GMは、ホームの移転があった今季について、当初は少なからず不安な部分もあったとした上で、2021-22シーズンのテーマを次のように述べる。

「我々が目指しているところは新B1で、その基準をクリアする必要があります。2023年4月には新アリーナも完成するので、最大で約5000人を入れられる状態になります。そこから逆算していったときに、今季は太田の周辺で『バスケットっていいよね』『ワクワクするよね』という空気を広げるところを大きな課題としてスタートしました」

吉田真太郎GM/写真提供:群馬クレインサンダーズ

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