再び感染拡大の中、今年も受験シーズンがスタートした。受験生の方々には、今までの成果を発揮できるように心から祈りたい。

韓国の大学受験(日本の大学入学共通テストにあたる「スヌン:大学修学能力試験」)はすでに、2021年11月18日に終了し、今回も受験会場に遅れそうな生徒をパトカーが送迎するシーンなどが報道された。

日本以上に、厳しいとされる韓国の受験事情。熾烈な戦いどころか犯罪にまで手を染める受験をテーマにした韓国ドラマなども登場する中、果たして実態はどうなのか? 自らも厳しい韓国の受験戦争を経験した韓国人YouTuberのジンさんに、受験から就職までの事情を詳しく伺ってみることにした。前編では、韓国の大学受験事情について、話を聞いた。

※ジンさんのお話は、以下よりー。

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“inソウル大”が就職には必須条件?

SKYキャッスル ~上流階級の妻たち~』(Netfilxなどで配信中)と言う韓国ドラマをご存じでしょうか? 2018年11月23日~2019年2月1日まで放映され、初回は1.7%と振るわない視聴率だったにも関わらず、最終回は23.8%という視聴率を獲得し、韓国では社会現象にもなった作品です。

こちらが大ヒットした『SKYキャッスル~上流階級の妻たち』。この5人は物語を動かす母親と左上がSKYへ導く受験コーディネイター。出典/SKYキャッスル公式サイト

このドラマは、韓国の、しかもセレブ界の受験戦争を描いた作品として注目されました。タイトルになっている“SKY”とは、韓国・ソウルの名門大である「ソウル大学」「高麗(コリョ)大学」「延世(ヨンセ)大学」の頭文字。ソウル大は日本で例えるとしたら東大的なポジションとして君臨する大学です。韓国の受験生はこれらの名門大学に入るべく、受験戦争を繰り広げています。

こちらが韓国トップのソウル大学。出典/ソウル大学公式サイトより
ソウル大学と並んでSKYのひとつにあがる「延世大学」。photo/iStock

韓国には336の大学があり、そのうちソウルには48の大学があります。一番優秀なのは“SKY”で、その次にあるのが「西江(ソガン)大学」「漢陽(ハニャン)大学」「成均館(ソンギュングァン)大学」といった、“2号線ライン”と呼ばれる大学群。2号線とはソウルを走るメトロの番号のことで、この沿線には比較的優秀な大学が集まっています。

その次のクラスは、“inソウル”で、これはソウルにある大学という意味です。韓国は競争がすごいので、たとえSKYがダメでも「inソウルなら上出来」と言われています。

その下のクラスは、「首都圏」にある大学です。「安養(アニャン)大」「仁川(インチョン)大」など、ソウル郊外の大学がこれに当たります。ですが、地方大でも大田(テジョン)にあり、理工学専門で世界の大学ランキング上位にも入る「KAIST(カイスト):韓国科学技術院)」、釜山(プサン)にある「 釜山大学」、大邱(テグ)にある「慶北(キョンブク)大学」のように、広域市のいいところの国立大学は入るのが難しいです。

そして最後が、地方の名門ではない大学。これは地方の雑多な大学、略して「地雑(ちざつ)大」と呼ばれています。韓国では就職の際、何よりも学歴を重視するので、もしもinソウルと地雑大で争ったら、地雑大の人がどれだけ外国語を流暢に話そうと、素晴らしい活動履歴を持っていようと、inソウルには勝てません。