「常にフル回転」に、みんな疲れている

“inソウル”ならinソウルなりの、“地雑大”なら地雑大なりの企業に就職し、身の丈に合った生活をすれば何の問題もないのですが、韓国人は見栄っ張りといいますか、どうしても上を見てしまうんですね。いい大学、いい会社、いい車―。なにせ月に手取り20万円でもベンツを買いますから(笑)。しかも「Eクラスはダサい、Sじゃないと」と言いながらSクラスを買うんです。彼女とのペアリングも「カルティエじゃなきゃ恥ずかしいよね」と背伸びする。すべてにおいて無理をしているんです。

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韓国では、『家にいるのに家に帰りたい』『私は私のままで生きることにした』『死にたいけどトッポッキは食べたい』『あやうく一生懸命生きるところだった』など、日々のしんどさをテーマにした書籍がベストセラーになりました。日本でも翻訳版を読んだ人がいるかもしれません。どちらの国でも話題になったのは、ともに無理をして疲れている人たちの共感を呼んだからなのでしょう。

しんどさを訴える韓国エッセイが次々と上陸。ここ数年、日本でもベストセラーになっている。

韓国人から見ると、日本人も結構疲れているように見えます。韓国人に比べてあまり自分の感情を表現しませんし、遅くまでやっている居酒屋も少ない。ストレスを十分に発散できていないのではと思ってしまいます。

一方の韓国は残業時間が世界でもトップクラスで、そのストレス解消のための遊びにも時間を使うわけです。常にフル回転な状態です。それはそれで楽しいんですけど、そればかりでは疲れるのも事実。だからみな「いったい自分はいつ休めるの?」となって、またコンビニの前で焼酎をあおったりしちゃうわけです(笑)。

それぞれ上手いこと「しんどい」を手放して、2022年も元気に生きていきたいですね。

構成・文/上田恵子