アインシュタインが予言した"重力波"ってなに?

実は、人間にも“重力波”は出せるんです!
宇宙物理学の様々な謎に挑む新しい天文学「マルチメッセンジャー天文学」。この幕開けともいえる"重力波の初検出"には、2017年のノーベル物理学賞が贈られました。

でも、そもそも"重力波"ってなに? 

アインシュタインが予言したともいわれる"重力波"について、マルチメッセンジャー天文学、気鋭の研究者がわかりやすく解説します。

もう一度、"重力"について考えてみよう

重力波という言葉を聞いたことがあっても、それを生き生きと実感できる人はなかなかいないでしょう。重力波が伝わっているところを「見た」ことがある人はいないはずです。そもそも、重力波は私たちの目で「見る」ことはできません。

しかし、重力波にはピンとこなくても「重力」なら皆さんご存じのはずです。今、私たちが座っていて、宙にフワフワと浮いてしまわない理由は、私たちが地球の重力に引かれているためです(図1)。

【図】重力図1 重力

手に持っているものが床に落ちてしまうのも重力の仕業です。地球に限らず、質量があるものの間にはいつでも力が働くことが知られており、「万有引力」と呼ばれています。

重力は宇宙の至るところで重要な役割を果たしており、例えば、星は重力に対抗するように核融合しており、核融合ができなくなると潰れてしまいます。たとえば、ブラックホールは重力が強すぎて光すら逃げ出せない天体なのです。

重力の正体は"時空の歪み"

では、そもそも重力とは何でしょうか? なぜ私たちは地球に向かって引かれているのでしょうか?

この問題に理由を見出したのがアインシュタインの一般相対性理論です。

一般相対性理論では、質量のあるところでは「時空が歪む」と考えます。時空とは時間と空間を合わせた概念です。

空間は左右、前後、上下の3次元で、時間は過去から未来の1次元ですので、時空は全部で4次元になります。絵では4次元を表すことができないので、簡単な2次元の面で考えてみましょう。
 

【図】時空の歪みと重力図2 時空の歪みと重力


図2の左側が何もないときの時空を表したものだと考えてください。

ここに地球のような質量の大きいものがあると、時空が歪むと考えます(図2右側)。ピンと張った布の一部分を押して、へこませているような状況を考えると分かりやすいと思います。

ここで、布の上に1つボールを置くと、ボールはへこませた部分に転がっていくでしょう。ボールがへこませた方向に動くということは、ボールが「力を感じる」ということです。

これと同じように、地球が作った時空の歪みによって、私たちの体は地球に引かれる力を感じると考えることができます。

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