世界遺産ウユニ塩湖での出会い
おんぼろの長距離バスで南米大陸のペルーからボリビアのラパスへと到着し、ラパスに数泊した後、絶景好きなら誰もが憧れるであろう世界遺産のウユニ塩湖へと向かった。
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ボリビアの中央西部、標高約3700mの高所に位置するウユニ塩湖は、乾季と雨季の境目のシーズンに訪れることで「鏡張りの湖のような絶景」「見渡す限り塩の結晶に覆われた純白の絶景」この2つを堪能することができる。
夢にまで見た憧れの絶景に期待を寄せながら、ウユニ塩湖観光の起点となる町、ウユニに到着するとひどい頭痛に見舞われた。標高約3700mと、富士山と同じ程度の高地に広がるウユニへ向かうには、なるべく日程に余裕をもって徐々に高所順応を行うのが基本だ。
ちょっと急いで来てしまったかな? もう少しラパスで慣らしてから来ればよかった……と、ズーンと重い頭を両手で抑えながら、何とかウユニの宿へと辿り着いた。
「頭、大丈夫?」。突然、大柄な日本人男性が私の顔を覗き込んできた。「高山病? 薬を持っているから飲んだほうがいい。ほら、バックパック持ってあげるよ」とその男性は言う。
ヒロ(仮名)という長身でがっちり体型の日本人男性は、私と同じく世界一周旅行中で、私より6歳年上の物腰が柔らかそうな雰囲気の人だった。
同じ宿の日本人は他にも数人いて、一緒に翌朝からウユニ塩湖現地ツアーに参加することになった。
「頭痛はおさまった? まだ薬あるけど大丈夫かな……部屋は隣みたいだし、何かあれば壁を叩いて知らせてくれる? すぐ駆けつけるよ」と、彼は何度も私の体調を気遣ってくれて、高山病らしき頭痛も薬のおかげでおさまってきた。