単身赴任で完全なる妻のワンオペに

ひとつ思い当たるのは、間もなく隼人さんの単身赴任が終わることだった。その時点まで隼人さんは約2年間、単身赴任をしていた。自宅から2時間程度の距離なので、週末ごとに帰っていたのだが。

「元妻としては、もう一緒に暮らしたくないということだったんでしょう。でも、突然、言われても困る、とりあえず僕は別れるつもりはないよ、と言い、後日あらためて話し合うことになりました」

元妻とは中学時代の同級生で、成人してから付き合い、25歳で結婚した。可愛らしく社交的な元妻は、お酒も強く、隼人さんの会社の集まりに連れていくと、年配の上司ともうまく調子を合わせて飲みに付き合う。「いい子だな」と評判もよく、隼人さんには自慢の妻だった。

会社の集まりに連れて行っても上手にその場を取り持ってくれる自慢の妻だった Photo by iStock
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26歳で子どもが生まれ、子どもが1歳になる前に元妻は職場復帰。共働きを続けることに夫婦とも迷いはなかった。比較的若いうちに結婚したのでお金がなかったし、元妻は仕事が好きだった。

「子どもが3歳のとき、僕が転勤になったんです。異動先は都内ですが、住んでいる場所からは通勤時間が2時間近くかかることになり、残業が多い仕事柄、それは厳しい。引っ越そうと言ったのですが、そこで子どもが保育園に入れるかどうかわからないと妻に反対されて、やむなく僕が単身赴任をすることになりました」

元妻自身が望んだこととはいえ、3歳の子どもの面倒を一人で見ながらフルタイムで働くのは、どんなに大変だっただろう。シングルファザーとなったいまになって、それがよくわかる、と隼人さんは言う。