Yahoo! Japanが2021年7月に実施した2000人アンケートで、「離婚したいと思ったことがある」と答えた既婚者は6割を超えた。しかし、実際に離婚すべく行動を起こしている人は少ない。その境目は、結局夫婦として好きな思いがあると気づいたことや、コミュニケーションをとるよう努力したこと、子どものためにと思い直した、などと様々な理由がある。

結婚したら離婚をするのはいけないということでは決してない。互いに健やかに人生を送るための離婚は、大切な選択肢の一つではある。しかし、もしかすると互いへの思いやりがあれば、そのすれ違いは回避できる可能性もあることを、アンケートは示している。

しかし、自分がいざ当事者になると、つい客観的に見られず、被害者意識をもってしまうことも多い。そんな時、体験談を聞くことは客観的に見る指標となる。
相手の立場を考えることができずにいたために離婚に至ったということを、離婚後5年目にして感じているという男性に、ライターの上條まゆみさんが話を聞いた。

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結婚して6年目、不倫も借金もDVもないのに…

「元妻にとっては、子どもと一緒に暮らすというプラスの面より、嫌いな夫と暮らすというマイナスの面のほうが上回ったわけです。頭おかしいんじゃないかと思いましたよ」
4年前に元妻が子どもを置いて家を出て行き、シングルファザーとして10歳の子どもを育てる志田隼人さん(仮名・36歳)は、5年前の悪夢を話し始めた。

「正月、三が日も明けないうちに、元妻からいきなり離婚を切り出されたんです」
家族で出かけた親戚まわりから帰ってきて、家でくつろいでいるときのことだった。子どもは寝てしまい、リビングには夫婦だけ。隼人さんが「今年の連休はどこに行く?」と元妻に話しかけたら、聞こえているはずなのに無視された。「なんだよ!」と声を荒げたら、急に「離婚したいです」と言ってきた。

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それほど仲のいい夫婦ではなかった。結婚して6年目。正直、元妻への恋心はとうに冷めていたし、元妻もそうだっただろう。が、家は買ったばかりだし、何より子どもがいる。当時、5歳で、まだ手のかかる年ごろだ。不貞も借金もDVもないのに離婚だなんて、まるで現実的ではない。

「好きな人でもいるの? と元妻に聞いたら、そんな人はいない、と」