2022.01.21

もうすぐ、日本が外国人労働者の「失踪天国」になる日がやってくる…!「特定技能」拡大の落とし穴

少子高齢化がすすむ日本の労働力不足をまかなうために、政府は外国人労働者の受け入れを拡大する方向に大きく舵を切った。大きな目玉は14業種で定める外国人労働者のうち「特定技能」の熟練者を対象に、在留期限を撤廃する方針を固めている。

しかし、これが実際に施行されれば、地方での人手不足はさらに加速し、加えて外国人労働者の失踪にもつながると関係者は指摘する。一体なぜ、そんな混乱が起こるのか…?『ルポ・技能実習生』を上梓した澤田晃宏氏が現場をまわり、その声を聞いた。

故郷の家を立て直したい

職場に不満はなかった。休みは週に2日あり、友人になった職場の日本人と休日に紅葉を見に行くなど、むしろ満足していた。

ベトナム出身のカオ・ティ・カム・ヴァン(24歳)は、食料製造関係の「技能実習生」(以下、実習生)として2018年1月に来日。日本語や日本の生活習慣などを学ぶ約1ヵ月の入国後講習を経て、新潟市内の大手スーパーマーケットで働き始めた。

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ヴァンが働き始めた会社には、約50人ものベトナム人実習生がいた。技能実習制度は日本で働いて学んだ知識と技能を途上国に移転する「国際貢献」を目的とする制度だが、実態は人手不足現場の人材確保で、実習生の目的も出稼ぎだ。

ヴァンはスーパー内の惣菜を担当し、毎日、からあげや天ぷらの調理、お弁当づくりを担当した。勤務時間は8時から18時。途中、1時間の休憩がある。寮費や光熱費を引いた手取り給与は約13万円で、そのうち約10万円を母国の両親に送金した。

「日本でお金を稼いで、古くなった家族の家を建て直してあげたいと思った」

ヴァンは高校卒業後、ベトナムの縫製工場で働いた。休みは週に1回で、1時間の休憩をはさみ、勤務時間は8時から18時。給与は日本円で約3万円だった。

縫製工場勤務時代に実習生として日本に行った友人から、「3年間で300万円は貯金できる」と聞き、私もと思った。

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