2022.01.18
# 東証

まさに論外…プライム市場に1841社を残す「東証再編」の想像以上のお粗末さ

上場企業や経営者に甘すぎる

東京証券取引所は1月11日、市場区分の見直しを念頭にすべての上場企業の新しい所属先を公表した。この市場区分見直しは、6年近い歳月をかけて準備してきたもので、今年4月4日に実施することになっている。

ところが、当初から懸念された通り、実質最上位となる「プライム市場」に現在の「東証1部」の8割強が横滑りする結果になり、上場や退場、降格を巡る基準を厳格にすることで企業の成長意欲を刺激するという狙いが十分に果たせない恐れが現実味を帯びてきた。

今回は、大きな課題が残った日本の証券市場改革について、本当に必要なことは何かを考えてみたい。

東京証券取引所/photo by gettyimages
 

東証1部の8割が横滑りの結果に

まずは、今回の再編の概要に触れておこう。

最大のポイントは、これまで「東証1部」「東証2部」「マザーズ」「JASDAQ・スタンダード」「JASDAQ・グロース」の5つに分かれていた市場区分を、「プライム市場」「スタンダード市場」「グロース市場」の3つに再編することだ。

それぞれの市場コンセプトは、「プライム」が事実上の最上位で、高い株式の流動性とガバナンスの両方を備え、海外投資家との建設的対話に基づき成長を目指す企業だ。真ん中の「スタンダード」は、一定の流動性と基本的なガバナンスを備えた企業。そして、「グロース」がこれからの成長期待企業という位置付けで、高い成長性を実現するための計画を持ち、市場からの評価を得られる企業、としている。

3つの新市場のどこに上場するかは、各企業の選択に委ねた。

JPX公式サイトより引用

その結果、新たな最上位の「プライム市場」には、今までの最上位の「東証1部」の2185社の8割強にあたる1841社が横滑りすることになった。これに経済紙などから批判が集中していることは後述する。

真ん中の「スタンダード市場」に移行するのは1477社だ。この中には、「東証2部」と「JASDAQ・スタンダード」に上場していた1132社に加えて、プライム市場の上場基準が未達でスタンダード市場への移行を希望した321社と、プライム市場への上場基準は満たしているがスタンダードへの移行を希望した23社が含まれている。

また「マザーズ」の所属か、「JASDAQ・グロース」の所属か東証の公表資料でははっきりしないが、いずれかに所属していた460社の中の1社が、新「グロース市場」ではなく、この「スタンダード市場」への移行を希望して受け入れられたとみられる。

最後に、新「グロース市場」に移行する459社だ。1月11日の時点の「マザーズ」「JASDAQ・グロース」の上場企業460社のうち、前述の1社を除く、すべてがこの市場に移行することになっている。

 
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