新型コロナショックが引き起こす「長期的危機」の可能性

「パニック」よりも「長引く停滞」に
宮崎 成人 プロフィール

民間債務全般

新型コロナ禍により、サバイバルのために債務に頼った企業や家計は多々あったはずです。例えば米国の非金融法人の債務(債券及び融資)残高は、2019年末から2020年央までの半年で約10%上昇して11兆ドルを上回りました。マイナス成長によるGDP(分母)の縮小と債務残高(分子)の増加の両方の効果で、多くの国の債務GDP比率は上昇しています。今後景気が回復すればGDP比は徐々に低下していくと想定されますが、同時に金利の上昇が予想されるので、債務返済の負担は必ずしも軽減しない恐れがあります。

政策サポートの終了や、部品不足等から、これから企業倒産が増えていくと予想されますが、GFC以降銀行の資本が厚くなっていることを考えると、民間債務→銀行破綻→投資家のパニック→サドンストップというルートのパニック的な国際金融危機の可能性は低いものと思われます。

他方で、債務を負っている企業や家計は、債務残高の減少を目指すでしょうから、今後しばらく新規投資の停滞を招く可能性が高いと考えられます。その結果、民間設備投資が数年間力強さに欠けることとなり、景気回復ペースが遅れるとともに、長期的なイノヴェーションにも悪影響が及ぶでしょう。それは、停滞を長引かせる形の「危機」をもたらすかもしれません。

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