もはや「悪い円安」だ…2022年日本経済を直撃する「景気悪化」のリスク

財務省・日銀介入の機運が高まるが…
歳川 隆雄 プロフィール

円安を止める具体策

ところが現状では政策金利を引き上げることは2つの理由で難しい。(1)消費者物価指数(CPI)がインフレターゲットの2%にほど遠い中で、利上げをすると日銀のクレディビリティ(信用)が極度に低下し、投機筋に足元を見透かされて攻められる絶好の口実を与えることになる。(2)政策金利を上げることによりイールドカーブ(利回り曲線)が上方にシフトし、国債の利払い費の急激な上昇につながる恐れがある――。

となると、国債の利払い費の上昇を防ぐ方法はどうなるのか。あらかじめ現時点で、国債の発行を長期化して、金利の引き上げに備える。そして金利の低い時に低コストで長期のファンディングを確保することが必要となる。

円安を止める具体策は、金融正常化のステップとして、長期金利のターゲットを10年から5年に移すことである。そうすれば、結果として10年より先の金利は上昇するが、主な買い手である生命保険会社や年金機関はそれを歓迎するし、その買いが金利の過度の上昇を抑制する。

但し、このような対応を行っている間にプライマリーバランス(PB=基礎的財政収支)の黒字化することが肝要となる。必須条件だ。

だからこそ、巨額な財政赤字に直面する日本政府は2018年以降「2025年度のPB黒字化を目指す」の旗を掲げ続けているのもこうした理由があるからだ。

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