親方日の丸の巨大産業・医療-年金だけでなく健康保険も破綻はある

この業界こそデジタル化でコスト削減を
大原 浩 プロフィール

医療費・保険料を明示すべし

最大の問題は、我々が本当に負担している部分が見えないことだ。現在の医療費明細は、まるで「回らない寿司屋」の「時価」のようなものである。点数で表示されてもいくら使われたのか、「利用者」にはよくわからない。また、治療内容も「利用者」によくわかるように平易な言葉で表記すべきだ。「利用者に対しては、できるだけ情報を隠して、自分たちだけがわかればいい」という傲慢な医療業界の体質を感じる。

また、保険料の「会社負担」という制度も曲者だ。サラリーマンの場合、保険料の半額を会社が「負担」している。しかし、これは実質的にはサラリーマン自身が負担しているのだ。次のような会話を考えてみよう。

「A君、うちも来月から保険料を半額負担するから、今まで払っていた年間60万円の保険料が30万円になるよ」
「部長、ありがとうございます」
「でもね、その分は結局君を雇うコストだから、年収を30万円下げておくね」
「えっ」

 

もちろん、普通は入社したときから「会社負担」が始まっているからこのようなことはあり得ない。しかし、入社時の年収が500万円としたら、会社から見れば健康保険料の負担が30万円とした場合の雇用コストは530万円である。つまり健康保険の会社負担のおかげで、30万円の給料をもらい損ねている可能性がある(念のため、この保険料は仮定であり、実際のものとは異なる。参照:東京都「保険料額表」)。

つまり、結局「会社負担」というのは幻想で、実際にはサラリーマン自身が負担しているということだ。

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