親方日の丸の巨大産業・医療-年金だけでなく健康保険も破綻はある

この業界こそデジタル化でコスト削減を
大原 浩 プロフィール

国民皆保険制度も年金同様破綻?

医療費負担に占める保険料の割合は、実はたったの5割しかない。一般的な窓口負担3割で単純計算すると7割になるはずだが、後期高齢者のケースなどを考えると、本来保険料で負担すべき割合はさらに多いはずだ。

国民の保険料負担は「もう限界」と思われるほど上がっているのに、それで賄えないというのは危機的状況である。それでは、足りない分はどうしているのか?

全日本病院協会資料(2015年度)によれば、国民医療費の財源別は次のとおりである。

公費は16兆4715億円(構成割合38.9%)だ。そのうち国庫は10兆8699億円(同25.7%)。地方は5兆6016億円(同13.2%)。

保険料は、20兆6746億円(同48.8%)、そのうち事業主は8兆7299億円(同20.6%)、被保険者は11兆9447億円(同28.2%)。

また、その他は5兆2183億円(12.3%)、そのうち患者負担は4兆9161億円(同11.6%)。

である。

つまり、医療費のうち保険料では半分程度しか賄われず、4割近くも公費(税金)が投入されているのだ。そして、患者が負担しているのはたったの1割ほどしかない。

 

一般的な窓口負担が3割であることを考えると少なすぎるように思えるが、後期高齢者のケース以外に、一定金額以上の医療費は患者負担が大幅に軽減される(参照:「高額療養費制度を利用される皆さまへ」)など、様々な優遇措置もすべて保険料・税金で賄われているからだと考えられる。

もちろん、患者全体を平均すれば「表面的な負担」が1割しかないのは好ましいようにも思われるが、結局残りの9割も税金や保険料の形で負担しているのである。このようないびつな制度が「持続可能」とは考えられないし、持続できなかった場合被害を被るのは若者を中心とした現役世代である。

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